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インターネット速度11mbpsとは何を表す数値なのか
よく「インターネットが速い(遅い)」という言い方をします。
ネットで動画を見たりオンラインゲームで遊んだりするときに、動画視聴やプレイのさまたげにならないかの快適性を表す表現ですね。
しかしインターネットのスピードは目では見られないので、実際には速いのか遅いのかは見た目では判断できません。
「インターネットが速い(遅い)」とは、いったいどういうことなのでしょうか。
今回は、速度の中でも具体的に「11mbps」を基準にして、その意味を解説します。
IEEE802.11bとは無線LAN規格IEEE802.11bの最高速度
速度の中でも「11mbps」を採りあげているのには、理由があります。
11mbpsとは、無線LAN規格IEEE802.11bの最高速度です。もし自宅で使っているWi-FiルーターがIEEE802.11bである場合、無線が飛ぶスピードは11mbpsが最高速となります。
ちなみに、IEEE802.11bは周波数帯2.4GHzの中ではもっとも古い規格です。
無線LANが家庭に普及しはじめた際に主流となっていた規格ですので、昔からWi-Fiルーターを持っていた人でしたら、今でも愛用の機器かもしれませんね。
ですが、インターネットにおいては「昔から使っている=良い」とは限りません。技術の進歩により、日々新しい規格が出て、インターネット回線の速さも変わってきているからです。
インターネットをフルに楽しむには最高11mbpsでは遅いと感じることも
家庭内でもWi-Fiでの無線LAN接続が当たり前になった昨今では、IEEE802.11bを使っている人も少なくなってきているかもしれません。
何と言っても最高速度が11mbpsですので、インターネットをフルに楽しむためには遅いと感じることもあります。
また、速度とは関係ないものの、IEEE802.11bの規格で使われている周波数帯2.4GHzは電子レンジなどの家電とも干渉しやすいので、利用する場所によっては電波障害が起こる可能性もあります。
それでは、インターネットをフルに楽しみたい人は、どのような規格の無線LANルーターに変更すれば良いのでしょうか。
主に動画を見たい人、オンラインゲームで遊びたい人、それぞれにおすすめの規格をご紹介しましょう。
動画配信サービスを利用するなら5GHz帯がおすすめ
いろいろな動画を見て楽しみたい人には、周波数帯5GHzの無線LANルーターがおすすめです。
5GHzの周波数帯は、2.4GHzの周波数帯よりも電子レンジや他の無線機器との電波干渉を受けにくくなっています。
通信の安定性が必要となる動画視聴にはベストな規格ですね。
周波数帯5GHzの無線LANルーターの規格は、IEEE802.11acやIEEE802.11n、IEEE802.11aです。
特にIEEE802.11acは最大通信速度が6.9Gbpsも出ますので、自宅で光回線のギガプランを契約している人は、速度が最高値に近づけるようにIEEE802.11acの無線LANルーターに交換しましょう。
オンラインゲームで遊ぶなら60GHz帯は要チェック!
自宅ではもっぱらオンラインゲームで遊んでいる、という人には周波数帯60GHzの無線LAN規格は要チェックです。
60GHz周波数帯は電波の直進性が高いため、狭い範囲で高速通信したい場合には最適な規格になっています。
ワンルームマンションで一人暮らしをしている人でしたら、広い範囲に無線を飛ばす必要もありませんので、周波数帯60GHzのWi-Fiルーターがあればて高速な無線通信が可能になりますね。
ただし残念ながら、2019年時点で周波数帯60GHzのIEEE802.11ad規格の無線LANルーターはあまり市場に出回っていません。
インテルはIEEE802.11adをワイヤレスVRに集中して使用すると公表していますので、今後はVRゲーム機器の開発にIEEE802.11adが利用されていくことが見込まれています。
VRでオンラインゲームを思いっきり遊びたい!という人は、自宅のWi-Fiルーターは前述の5GHz周波数帯で利用しつつ、60GHzについても引き続き要チェックですね。
無線LAN規格と速度の確認方法(Windows・Mac)
自分のパソコンがどの無線LAN規格に対応しているのかを確認する方法は以下のとおりです。
Windows OSの確認方法
- [Windows]キー+[X]キーでシステムメニューを表示する
- [コマンドプロンプト(C)]を選択する
- 「netsh wlan show interface」を入力し[Enter]を押すと、無線の種類が表示される
Mac OSの確認方法
- [option]キー+Wi-Fiマークをクリックする
- PHYモードを確認する
通信速度の確認方法
現在の通信速度を確認する方法は、Windows・Macとも以下サイトの利用がおすすめです。
SPEEDCHECK
https://www.speedcheck.org/ja/
「SPEEDCHECK」はブラウザを開けば自動的に接続している端末の通信速度を判定してくれるサイトなので、WindowsであろうとMacであろうと、関係なくスピードチェックができます。
パソコンでもスマートフォンでも使用できて、デバイスを選ばず使えるのが便利なところです。
もちろん利用は無料で、会員登録なども必要ないので安心です。
インターネット契約の見直しも速度の遅さを解消するのに効果大!
通信速度の速い遅いは、無線LAN規格だけが問題となるのではありません。
Wi-Fiルーターに接続する前の、もともとの回線状況も重要な要素です。
無線LANの規格は適切なのに自宅での通信が遅いと困っている人は、自宅への引き込み回線の見直しも検討してみましょう。
現在ADSL回線を利用している人は、光回線に移行することで通信の遅さが解消できます。
ADSLは2020年以降には順次サービス終了を控えていますので、今が替えどきですね。
また、既に光回線を解約中の人でも、光回線の種類を変更することで、さらなる速度アップが期待できる策があります。
IPoE(IPv6)がおすすめ
NTTのフレッツ光では主に「PPPoE」という接続方式で通信を行っていますが、次世代型の接続方式である「IPoE」を使った光コラボレーションが最近では増えつつあります。
光コラボレーションとはNTT回線を使って他の事業者がサービス提供するコラボシステムで、NTTの安定性をキープしながら通信速度の改善と料金の値下げが同時に行えるメリットがあります。
また、接続方式以外にも「IPv4」と「IPv6」という通信規格があり、IPoE接続をするためにはIPv6対応のプロバイダに移行する必要があります。
上記によって通信速度が上がる理由は、回線の混み具合を解消できるためです。
通信回線が混雑していると、渋滞中の道路のように通信もノロノロ運転になります。IPv4+ PPPoEは契約者数が多いため、皆が利用している時間帯だと回線が混みあってしまいます。
IPv6+IPoEを利用することで高速通信が可能になるのは、いうなればドライブ中に別ルートの裏道を走るようなものです。
遅いノロノロ運転を横目に見つつ、速度を上げてドライブができますね。
無線LAN環境を整えて動画もオンラインゲームも存分に楽しもう!
今回はインターネットの速度11mbpsを例にとり、無線LAN規格の説明と速度アップの対策について解説しました。
Wi-Fi接続があたりまえになってきた昨今、無線の種類や規格にも気を配って速度アップしていく必要があります。
遅いWi-Fiルーターはこの機会に入れ替えて、動画を見るのにもオンラインゲームをするのにも快適な無線LAN環境を整えましょう。
GEAR
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