この記事のもくじ
10Mbpsって速いの?遅いの?本当はどっち?
最近では、個人向けのインターネット回線でも「100Mbps」や「1Gbps」など、高速回線が安く提供されるようになってきています。
そんな中「10Mbps」と聞くと、すごく遅い回線のような気がしてしまいませんか?
かつてはダイヤルアップ接続やADSLで、もっと遅い通信でもガマンしていたのに、いまでは10Mbpsですら足りないような気がしてしまいます。
でも、本当に10Mbpsは、使用に耐えないほど低速なのでしょうか?
今回はインターネット回線の10Mbpsサービスについて、実際のところを検証してみましょう。
光回線10Mbpsとは?
10Mbpsが早いのか遅いのかの判断の前に、まずは10Mbpsがどのくらいの速度なのかを知っておきましょう。
「10Mだったら、100Mbyteのデータをダウンロードするのに10秒かかるんでしょ?」と思う人もいるかも知れませんね。でも、実は違います。
通信速度に用いる単位は『ビット(bit)』です。そして、メモリやHDDやSSD、画像やゲームのデータは『バイト(byte)』という単位が使用されています。
10Mbpsという速度は、1秒間に1250キロバイト=1.25メガバイトダウンロードできる速度となります。
今回はこのことを前提に、光回線で10Mbpsという数値は早いのか遅いのか、また、実用面で困ることがあるのかを解説していきます。
また、それがどうしてなのかの理由もあわせてご説明しますので、今後の参考にしてくださいね。
光回線の10Mbpsは確かにちょっと遅い
まず最初に、結論から申し上げます。
これから光回線のプランを選ぶとしたら、10Mbpsを選ぶのはちょっとイマドキではないと言えるでしょう。
本来でしたら、10Mbpsあれば日常的なインターネット使用には支障を感じることはありません。
しかし、実際に利用をする際には、以下のような問題も起こってしまうのです。
通信速度は近隣住民の使用者数によっても変動する
かつて主流だったADSL回線は、8M~50Mbpsまでのプランがありました。
しかし実際には、収容局から距離が離れるほど速度が下がるという欠点を持っていて、8Mbpsプランなら4Mbps、50Mbpsなら25~30Mbps出れば良い方だとも言われていました。
光回線は距離で減衰することはありませんが、戸建てプラン・マンションプランともに、1本(1Gbps)の光回線を最大32件の家庭でシェアして使う仕組みになっています。
そのため、近隣の家庭が同時にインターネットに接続すると、全体的な通信量が増えて速度の低下が起こります。
また、通信量が多い家が隣近所にある場合には、それが原因で速度低下が起こりますし、プロバイダが混雑しても速度低下は起こります。
光回線にした場合の実質的な平均速度は30~50Mbps程度
上記の理由により、200Mbpsや100Mbpsの光回線を契約しても、その数値が出ることはほとんどありません。
200Mbpsプランなら100~120Mbps以上、100Mbpsプランなら50~70Mbps出ればラッキーでしょう。
この数値はプロバイダの混雑具合でも左右されますので、利用人数の多い都市部など人口の多い場所だと、もっと低い数値が出ることも珍しくはありません。
昼休み中や夕方~夜間帯には回線やプロバイダも混雑するため、通信速度はさらに下がることが想定されます。
それらを加味して判断すると、光回線の平均速度は30~50Mbps程度と言われています。
10Mbpsのプランであっても同じようなことがあり得ます。100Mbpsプランで30~50Mbpsしか出ないのだとしたら、10Mbpsプランでは3~5Mbpsに落ちてしまうかもしれません。
光回線なのに3~5Mbps程度の速度しか出ないのだとしたら、これは「遅い」と言わざるを得ないでしょう。
10Mbpsでも一般的な用途であれば実は充分
上記の説明で「光回線で10Mbpsって遅いのか…」とガッカリした方もいるかもしれませんね。
でも、大丈夫です。
一般的な用途に使うのであれば、10Mbps出ていれば、実際にはまったく問題ないのです。
ホームページの閲覧
検索エンジンを利用した場合、やりとりされるデータは1ページ辺り1~2メガバイト程度です。
10Mbps=1.25メガバイトの速度で、パソコンのCPUに充分な能力があれば、検索結果は1~2秒で表示されます。
一般的なホームページも、おおむね同じくらいのスピードで閲覧できます。
WEB動画
HD画質(1280×720)なら5~7Mbps、フルHD(1920×1080)の動画を閲覧する際にも、速度が8~10Mbpsあれば普通に視聴が可能です。
自動保存や自動バックアップ
クラウドによるデータ保存やバックアップなどは、パソコンで他の作業をしているときにバックグラウンドで行われることが多いです。
同時に行なう作業がどんなものかにもよりますが、、個人が保存するデータ程度であれば、10Mbpsも出ていれば充分です。
アップロード
頻繁にアップロードするファイルが超高画質の写真データやフルHD動画だったりすると、さすがに10Mbpsではイライラを感じるときもあるでしょう。
しかし、ほとんどの人はそこまで動画のアップロードを頻繁にするとも思えませんね。
いくつかの例を挙げましたが、普通の人が日常的なインターネット利用をする分には、10Mbpsの速度が出ていればほとんど支障ないと言っても良いでしょう。
10Mbpsはオンラインゲーマーには不十分?
画像がどんどん入れ替わって素早い反応が必要となるオンラインゲーム(特にFPSやTPS)でも、10Mbpsで大丈夫なのでしょうか。
オンラインゲームでは通信速度よりも、ping(ピン)と呼ばれる反応速度が重要なポイントです。
反応速度が遅いと、たとえ通信速度が50Mbps以上でも「遅い!」と感じることがあります。
これはプロバイダの混雑具合や処理性能に依存する部分が大きく、改善するためにはプロバイダの変更を検討しなければなりません。
また、パソコンのスペックが、オンラインゲームを遊ぶ推奨環境ではない可能性もあります。
その場合は回線の通信速度を気にするよりも、パソコンを買い替えてスペックを上げる必要があるでしょう。
どうしても10Mbpsでは我慢できない場合
日常的な使用には問題ないとはいえ、それでもやはり10Mbps回線では現在の主流回線より速度が劣っているのも事実です。
どうしても我慢できないようでしたら、回線業者を変更するのもひとつの方法です。
現在、光回線はいろいろな業者が提供しています。それぞれの業者から情報を得て、どこが速いのかを比べてみるのも良いでしょう。
NUROやauひかりなどは独自回線でもエリアが決まっている
ただし、光回線を乗り換える場合、業者やプランによってはサービス提供地域が関東近辺や大都市圏のみである場合があります。
契約前には自宅住所が提供地域であるかどうか、あらかじめ確認しておきましょう。
最近では、電力会社系の通信業者が光回線も提供していることが多いです。電気とまとめて契約することで割引になる場合もあるので、電力会社のサービスも確認してみましょう。
どの光回線でも通信速度の保証はしていないので注意
ただし、乗り換えて万事解決とはいかない場合も、ままあります。
NTTを含めネットの回線速度は『ベストエフォート型サービス(最大の結果を得られるよう努力)』です。
宣伝文句どおりの通信速度が保証されている訳ではないので、その点は覚えておきましょう。
回線を変えたけどたいして変わらなかった…と後悔しないように、事前に口コミなどでしっかり情報収集し、居住地域の通信環境をリサーチしてから契約を行うことをおすすめします。
まとめ
今回は、光回線の10Mbps速度について解説しました。
日常的な使用であれば、10Mbpsでも支障はないと考えられます。
もっと速度を向上させたい人は、回線の切替を検討しても良いかもしれません。
ただし、スムーズな通信には回線レベルだけではなく、プロバイダや室内配線、パソコンのスペックなどさまざまな要素がからんでいます。
回線だけ変えればすべて解決と考えず、それ以外の要素も見直すようにしましょう。
ライター名 :とぅるぶら
プロフィール:時事ネタライターとして活動。インターネット系に強く、自身もプログラマーとして従事経験有り。色々な記事を発信中。
GEAR
最新記事 by GEAR (全て見る)
- 50Mbpsの速さはどのくらい?動画やゲームもどれぐらいの速さなのかを解説 - 2021年12月21日
- 【光回線】40Mbpsがどのくらいの速さとなるのか具体的なイメージを持とう【動画・オンラインゲーム】 - 2021年12月21日
- 急にインターネットが遅いと感じたら?見直すべきポイントまとめ - 2021年12月17日