[最終更新日]2018.01.31

ケーブルテレビのインターネット回線ってどうなの?光回線と速度を比較しました。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 

固定回線でのインターネット接続といえば、現在ではケーブルテレビと光回線の二択という状況になってきました。

速度的には高速化する光に置いて行かれつつある印象のあるケーブルテレビですが、地域によっては光よりもお手軽に、コストパフォーマンスの高いインターネット接続環境を構築できるのです。

 

■ケーブルテレビ(CATV)のネット回線の特徴

ケーブルテレビは、アナログ波が主流であった時代に、テレビ電波が安定して受信できない難視聴地域の問題を解決するために登場してきました。

アナログ放送の場合、テレビの電波は障害物による干渉に弱く、樹木や建物などに反射して入ってくる電波を原因とする「ゴースト」や、電波にさまざまな波が鑑賞した結果できる「ノイズ」が発生していました。

ケーブルテレビは、送信局と家庭とを有線で接続することにより、ノイズやゴーストを一掃することができたのです。

日本においてケーブルテレビは、一定の顧客数が見込める都市部を中心に普及していきました。

都市部にはテレビ局や放送塔があり、テレビ用の電波の強度はそれなりにあるのですが、建物による反射が甚だしく、ゴーストから逃れるのが難しかったのです。

普及が進んだ結果、ちょっと大きな都市にはその市街地をカバーするケーブルテレビ局が存在するようになり、集合住宅は建築時からこれらのケーブルテレビ局との契約を前提にして建物内にケーブルを引き込むようになりました。

つまり、居住者が意図的に工事を行わなくても、受信できるだけのインフラ整備が自動的に進んでいた、ということになります。

・テレビ受信に使うケーブルをデータ通信に使う

ケーブルテレビの配線には、同軸ケーブルが使用されていました。同軸ケーブルは、電話回線よりは高速にデータのやり取りができますが、光ファイバーには及びません。

通信回線用として光ファイバー網が整備されてくると、ケーブルテレビ網も送信局と集合住宅などの幹線部分は光ファイバー化されます。

しかし、集合住宅等での集中受信施設から各戸までの配線はいまだに同軸ケーブルです。

ケーブル側から見れば、中を流れるデータがテレビ用の映像・音声だろうが通信用のデータであろうが差はありません。

特に、近年ではテレビ放送がデジタル化されたため、ケーブルテレビのケーブルを流れるデータは、すべてがデジタル化されるようになり、ますます差がなくなってしまいました。

このため、このケーブルをデータ通信に転用するのは、非常に簡単だったわけです。

ケーブルテレビのインターネット接続契約を行うと、ケーブルテレビ局側から「ケーブルモデム」という機器が送られてきます。

このケーブルモデムの一端は同軸ケーブルを接続するようになっており、もう一端はパソコン用のLANケーブルを接続できるようになっています。

ケーブルモデムの両端を、それぞれ室内に引き込まれているテレビ用のアンテナコンセントと、パソコンに接続すれば、もうケーブルテレビネットワークを使ったインターネット接続は行えるようになります。

すでにケーブルが引き込まれている都市部のマンションなどの集合住宅では、工事はもっとも簡単でお手軽な部類に属すると言えるでしょう。

「光回線を使いたい!」マンションに光回線が通ってるか確認する方法とは?

・回線速度に応じた料金制

ケーブルテレビのインターネット接続と光回線などの根本的な違いは、ケーブルテレビにとってインターネット接続というのはあくまでおまけである、となっている点にあります。

テレビ放送のやり方が変わればそれに伴ってインフラ整備も行いますが、インターネット接続のためだけに施設の更新を行うことについては積極的ではないのです。

このため、ケーブルテレビ接続は、あらゆるインターネット接続手段の中で最初に「速度制限」が課せられたものとなりました。

ケーブルテレビ局側からすれば、おまけで提供しているインターネットサービスのデータ量が増えすぎて、メインのテレビ放送用のデータ通信域を圧迫したのでは本末転倒であったからでしょう。

ともあれ、ケーブルテレビのインターネット接続は、一般的には通信ケーブルの能力いっぱいではなくほどほどの速度で制限されており、その速度ごとに異なる料金システムが用意されるようになったのです。

ケーブルテレビインターネット接続大手のJ-comでは、通信速度は320Mbps・160Mbps・12Mbps・1Mbpsの4段階に分かれています。

これらのうち、12Mbpsと1Mbpsは、設定速度自体が時代遅れで、現在ではほとんど導入メリットは感じられなくなっています。

価格設定も、すでに歴史的役割を終えたADSLと同レベルです。実質的に選択候補となる320Mbps・160Mbpsも、光ファイバー回線と比べるとだいぶ遅く、カタログスペック上ではWiMAXなどの無線接続と同レベルかやや速いといったものです。

しかし、無線通信の場合どうしても有線よりも通信環境の変化による減衰が大きく、実質的な速度ではケーブルテレビの方が、現時点では上になることが多いと思われます。

・ケーブルテレビ視聴とのセット割引

ケーブルテレビのインターネット接続は、単体でも提供されていますが、ほとんどの場合ケーブルテレビ視聴とのセットになっています。

これも再三繰り返した、「ケーブルテレビ局にとってはテレビが主で、インターネット接続はあくまでおまけ」という考え方に基づくものです。

先に紹介したJ-comの場合、320Mbpsのサービス単体だと月額6,000円ですが、テレビ30チャンネルの視聴ができるセットプランだと、月額5,505円となります。

ケーブルテレビの視聴がプラスされているのに、月額料金は低くなっているのです。

これはケーブルテレビのインターネット接続のインフラ整備コストが光回線などと比べると格段に低く、テレビ放送用のものを流用できてしまうので、セットした場合にインターネット用の料金を上積みする必要がほとんどないためです。

・利用目的によってはケーブルテレビで十分という人もいるものの・・・

引用元:阿波ケーブルテレビhttp://www.e-awa.tv/costomer.htm

 

ケーブルテレビのインターネット接続は、「ケーブルテレビの視聴を前提とするなら絶対的にお得だが、インターネット接続だけを目的とする場合は不利」になります。

もうひとつの隠れた特徴として、「インフラが整っている場所だと、工事がほとんど必要ない」という点があります。

現在では、都市部のマンションはほとんどがケーブルテレビ回線が事前に引き込まれたものとなっています。

このため、先に述べたように、ケーブルモデムをテレビのアンテナコンセントに接続すれば、即利用可能になります。

いわゆるアパートクラスの集合住宅の場合、マンションほど環境が整備されてはいませんが、それでも戸別にケーブルテレビを導入する住民はかなりいます。

かつてはアパートの大家さんは、建物に回復ができない傷をつけられるのではないか、とケーブルテレビ導入に抵抗を示したものです。

しかしその後ケーブルテレビの普及が進むとともに、そうした抵抗も影を潜めていき、今では多くの大家さんがケーブルテレビの導入に応じてくれるようになっています。

こうした経緯もあるため、運が良ければ前の住民がケーブルテレビの導入工事をした物件に入居できることも珍しいことではなくなりました。

こうした物件の場合、マンション同様に、ケーブルテレビ局との契約を行い、送られてきたケーブルモデムをアンテナコンセントに接続すると、インターネット接続が利用できるようになります。

集合住宅に入居する個人や家族レベルだと、テレビ視聴のニーズは高く、これとインターネット接続をセットにして安く導入できるなら歓迎する、というケースは数多いと思われます。

ケーブルテレビのインターネット接続を導入するべきかどうかを決定する鍵は、あくまでも「テレビも見るか?」という点に集約されると言えるでしょう。

ただ光回線も工事費無料キャンペーンなどを行っていますのでネット回線速度を優先したい場合は、断然光回線のほうがいいでしょう。

インターネット回線で損な契約をしないための比較ポイントを紹介

 

■ケーブルテレビのインターネット回線に関する口コミ

https://twitter.com/cotswolds_666ok/status/943133862464389121

 

■ケーブル回線と光回線との決定的な2つの違い

ケーブルテレビも光回線も、端末機器までケーブルで接続される「有線接続」に属します。

実は現在ではその大部分が光ファイバー化されているので、配線そのものを見ればほとんど同じものと言えるのですが、決定的な違いもあるのです。

・ケーブルテレビのネット回線速度はどれくらい?

ケーブルテレビのインターネット接続は、その末端部分では必ず同軸ケーブルを使ったものとなります。

一方、光回線ですが、集合住宅用と一戸建て用で異なります。集合住宅用の光回線の場合、建物全体までは光ファイバーケーブルですが、そこから各戸への配線は電話回線(メタル線)を利用します。

実は多くのマンションでは、光回線とメタル線の変換装置は、ケーブルテレビの配線を各戸に分配する装置と同じ部屋に置かれています。

一戸建ての場合、各家庭内に光ファイバーが直接引き込まれ、各戸内に光回線からLANケーブルに変換する装置が置かれます。

これらの接続形態において、ボトルネックとなるのは各戸まで接続するメタル線や同軸ケーブルの性能です。初期のケーブルテレビのインターネット接続の速度は、10Mbps程度でした。

やがて光回線のサービスが、最高速度100Mbpsで提供されるようになると、対抗してケーブルテレビ側も最高速度100Mbpsに増速します。

この程度までは、ケーブルテレビも光回線に追いついていけました。しかし、光回線の最高速度が1Mbpsを超えるようになると、ケーブルテレビ側では追いかけるのが難しくなります。

ケーブルテレビのインターネット接続が今でも320Mbps程度にとどまっているのは、これが原因です。

ただ、メタル線の限界は同軸ケーブルよりも低く、集合住宅で比較した場合、ケーブルテレビの方が「光回線マンションタイプ」よりも高速になることがあります。

 

・月額料金はどれくらい?

ケーブルテレビのインターネット接続の月額料金は、インターネット接続単体で言えばかなり割高です。光回線にあるようなキャッシュバックなどのキャンペーンもほとんどありません。

キャンペーンがないのは、ケーブルテレビ局はほとんど「地域に一局」であり、競争がほぼ存在しないからです。

より低価格なサービスも存在しますが、こちらは速度的・価格的にADSL並で、コストパフォーマンス的にはWiMAXやポケットWiFiの低価格帯のサービスに及びません。

パフォーマンス的には、格安SIMのテザリング接続が同レベルと言えますが、この場合コストで負けてしまいます。

ただし、ケーブルテレビの視聴を前提とした場合、インターネット接続分はほぼ無料(場合によってはマイナス)と考えてもいいレベルになります。

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

インターネット回線相談所

おすすめのネット回線