インターネット接続サービスには、個人向けと法人向けの2種類があります。
法人向けサービスは、個人向けのような派手なキャンペーンはあまり行われていませんが、ビジネスを展開していく上で欠かせない要素が、基本サービスに盛り込まれています。
この記事のもくじ
法人向け回線と個人向け回線の違いって?
法人向け回線メリットその1:通信制限がない
法人向けインターネット回線と個人向けインターネット回線の最大の違いは、法人向けインターネット回線には通信制限がないということです。
個人向けのインターネット回線の場合、プロバイダによっては月あたりの通信データ量が一定以上を超えると、通信速度が制限されることがあります。
個人がホビー用途でインターネットを使用している場合はこれでも大きな問題にはなりませんが、ビジネス使用の場合は大問題です。
このため、法人契約の場合には、ビジネスに支障が出ないように、速度制限等は課さないようになっています。
なお、個人向けサービスでも速度制限が課されるのは主にモバイル回線の場合で、光回線の場合には個人向けでも制限がないケースの方が多数です。
逆に、法人向けでも、月額料金を大幅に安くする代わりに速度制限を課するというケースもあります。
法人向け回線メリットその2:IPアドレスが固定
IPアドレスは、インターネット上での「住所」に当たります。電話番号と言い換えてもいいでしょう。
電話番号には、固定の番号と内線番号とがあります。IPアドレスにも同様に、「グローバルアドレス」と「ローカルアドレス」があるのです。
電話番号の場合、オフィスや個人宅には必ず固定番号が割り当てられ、オフィス内で複数の端末に内線番号を割り振っていますが、個人向けインターネット接続のIPアドレスの場合はそうではなく、プロバイダ側が固定のIPアドレス(グローバルアドレス)を持ち、ユーザー側には一時的にローカルアドレスを割り当てて通信を成立させています。
内線電話の場合、オフィス内から外に電話をかける場合はスムーズにいけますが、外部から内線番号に直接かけることは困難で、代表番号にかけて接続をし直してもらうケースが大部分です。
インターネットでの通信も同様で、ローカルアドレスでも外部のインターネットサービスを利用するのは問題なくできますが、自分のところからインターネットに積極的に情報発信を行うのは困難です。端的に言うと、サーバを構築しにくい、ということになります。
法人向けインターネット接続サービスの場合、固定のグローバルアドレスが与えられることが大半で、このことを利用すればオフィス内にサーバを設置して情報発信を行っていくことができるようになります。これは大きなメリットと言えるでしょう。
その他の違い
法人向けサービスの多くでは、月ごとに請求書を発行してくれます。このため、月々の経理処理がしやすくなるという利点があります。
なお、気になる速度ですが、回線そのものは個人向けのサービスと同じものを使用しているのが大半なので、個人向けサービスと比べ速くも遅くもなりません。
光回線の場合、どこのサービスを利用してもだいたい最大1Gbpsです。
どこがオススメ?法人回線の業者ごとの比較一覧
・Asahiネット
Asahiネットでは、光回線・モバイル回線とも2種類のサービスを提供しています。光回線は、フレッツ光の回線を利用し、プロバイダサービスだけ提供するもの、回線契約も込みで提供されるものの2通りです。
どちらの場合でもIPアドレスは固定となります。
プロバイダサービスのみの料金は、集合住宅や貸ビルに導入する場合、700円均一、一戸建てや自社ビルに導入する場合は780円~1,000円です。
回線とプロバイダサービスがセットになる場合は、集合住宅・貸ビルの場合4,080円、一戸建て・自社ビルの場合5,180円です。
モバイル回線は、WiMAX2+利用のものと、ドコモのLTE回線を使用したものとがあります。WiMAX2+は、いわゆる「ギガ放題」サービスに準じたもので、月額3,610円、LTE回線は月額900~1,980円と破格の安さですが、データ量3GBからの速度制限があります。
・So-net
http://www.so-net.ne.jp/business/
So-netでは、NTTの回線を使用してプロバイダサービスとセットで提供する「光コラボレーション」系の固定回線サービスと、WiMAX2+を利用したモバイル回線サービスを提供しています。
「光コラボレーション」サービスの場合、月額料金は一戸建てで4,500円、マンションで3.400円となっています。
モバイル回線サービスは、「ギガ放題」に準じた内容のものが4,379円です。
So-netの場合固定IPアドレス付与は月額1,200円のオプションとなっており、サービス加入時に申し込むようになっています。
・ぷらら
ぷららはNTTの「Bフレッツベーシック」回線を利用した法人向けサービスを提供しています。
「Bフレッツベーシック」は、サービスの提供当初は1Gbpsの高速回線を利用できるということで注目を浴びましたが、今では個人向けの光回線も軒並み1Gbpsとなってしまったため特にメリットは感じられない旧式のサービスになってしまっています。
料金は、固定IPアドレスなしで月額7,344円、固定IP1で16,200円、8で34,500円、16で51,840円となっています。5年前の時点ならそれなりに魅力もあった価格設定ですが、今ではかなりくるうしい立場にあると言っていいでしょう。
モバイル回線ではLTEを使用したサービスを提供しています。こちらは、1日あたりのデータ通信量110MBまで、速度150Mbpsで972円のエコノミープランと、データ量制限なし、速度3Mbpsのビジネスプランがあります。こちらも速度的にはもう過去のものになっていると言えます。
・OCN
http://www.ntt.com/business/services/network
OCNのサービスも、基本的にはぷららと同じようなもので、旧世代の光接続サービスの価格体系を引きずった感じになっています。
回線サービスも同時に契約するタイプの「OCN光」は月額14,760円から、回線が別でプロバイダサービスだけ提供する「OCN光フレッツ」が月額7,344円からです。IPアドレスもぷらら同様、なし・1・8・16からオプションで選択することになります。「OCN光フレッツ」の場合32・64も選択可能です。
速度的には並、価格的には高めのサービスですが、選べるIPアドレスの数が多いことと、NTT系の企業であるが故に、手厚いサポートが期待できるという点がメリットと言えるでしょう。オフィスで使用する場合、サポート体制が充実しているかどうかは大きなポイントとなります。
・Biglobe
http://office.biglobe.ne.jp/access/hikari/
Biglobeが提供しているオフィス向け光回線サービスは、いわゆる「光コラボレーション」に基づいたものです。同社では、「個人向けと同料金でオフィス向けサービスが利用できる」ということを売りにしています。
料金は一戸建て・自社ビルの場合5,180円ですが、契約してから24ヶ月間は4,780円、マンションタイプは同じく4,080円が24ヶ月間3,680円です。
固定IPアドレスは有料オプションとなっており、1つで3,500円からとなっています。
モバイル回線サービスは、WiMAX2+を利用したものが提供されており、サービス開始から24ヶ月間は3,900円で利用できます。
・auひかり
auひかりのセールスポイントは、「料金の安い個人向けのサービスを法人名義で使用できる」という点にあります。
その売り文句の通り、サービス内容は完全に個人向けと同じなのですが、オフィスで使う場合に最も注目しておくべきIPアドレスは個人向けサービスでも固定となっているので、複数IPがどうしても必要だという場合以外問題にはなりません。
また、auひかりの場合、全国一律3分8円で通話可能な光電話サービスや、auの携帯電話とセットにしての割引サービスが用意されています。インターネット回線だけでなく、電話もまとめて安くしたい、という社長さんにお薦めです。
まとめ 法人回線選択のポイント
法人向け光回線サービスは、旧世代のサービスと、最近になって登場してきた光回線系などに分けられます。
旧世代のサービスは、提供された当初は一般向けが100Mbps程度だったところ200Mbps~1Gbpsと優位に立っていたのですが、今では一般向けも1Gbpsになってしまい、大きなアドバンテージがなくなってしまいました。
数多くのIPアドレスを取得できるというメリットは今でも健在なので、この点を重視するかどうかで導入は決まってくることでしょう。
光回線のサービスは、基本的には個人向けサービスと同じ価格で利用できます。その中でもAUひかりはプロバイダ料金も込みの金額になっているので、月額料金が安くなっています。
また、AUひかりのKDDIの独自回線はフレッツ光に比べて加入者が少ないので、回線速度がフレッツ光に比べて遅くなりづらいメリットがあります。
料金や回線速度を考慮して、AUひかりを選ぶ方が多いのでそちらがオススメです。
GEAR
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