「インターネット回線をできるだけ安くしたい!」と考えている人は少なくないと思われます。ですが、ネット回線各社のページを開いて価格を調べ始めるのはちょっと待って下さい。
インターネット接続回線にはいくつかの種類があり、種類ごとに特性・価格が違います。
価格だけで飛びついてしまうと、回線の特性の方がご自分の使用スタイルにまったく合わず、結果的に損をしてしまうことにもなりかねません。
まずは、インターネット回線にはどのようなものがあるか、最低限の知識を身につけましょう!
この記事のもくじ
固定回線とモバイル回線の違い
インターネット接続回線は、大きく固定回線とモバイル回線にわかれます。
固定回線は電話線など、ケーブルを直接ユーザーのところまで引き込む形式で、材質や通信方式によってさらに光回線・ADSL・ISDNに分かれます。
モバイル回線は、携帯電話の回線や独自の無線通信インフラを使い、ケーブルレスで端末とインターネット網を繋ぐものです。
3G回線・LTEを使用する携帯電話タイプと、独自の無線ネットワークを使うWiMAX系に分けられます。
回線業者とプロバイダ選びの組み合わせは様々
インターネットに接続するためには、回線業者と、その回線を使ってインターネットへの接続サービスを提供する「プロバイダ」の二業者との契約が必要です。
しかし一般の人には「プロバイダ」と言っても「それ何?」となりますので、「二業者と契約しなければならない」と説明してもぴんと来ませんよね?
業者の方でもそれを理解するようになったので、現在では一業者(主にプロバイダ)が回線契約とインターネット接続をセットにしたサービスを提供するようになってきています。
安くて、速い、賢いネット回線選びをしよう!
どのような回線を選ぼうと、プロバイダとの契約は必須になります。
そして、先に説明したように、プロバイダの多くは回線と接続をセットにしたサービスを提供しています。
さらに、固定回線・モバイル回線と複数の回線をサポートしているプロバイダも数多く存在します。
ですから、まずはプロバイダベースで各種の情報を集め、そのプロバイダが自分の使いたい回線をサポートしているかどうかでふるい落とし、最後に価格を調べて契約業者を決める、というのがもっとも賢い選び方であると思われます。
主要なプロバイダから探す!ベストなインターネット接続サービス比較
・OCN
NTTグループに属するプロバイダのOCNは、光・ADSLの固定回線と、「モバイルd」という名のモバイルサービスを提供しています。
ただし、「モバイルd」は、NTTドコモの携帯電話の付属サービスのような扱いですから、実質的に固定回線向けのプロバイダだと考えていいでしょう。
光回線のサービスは、NTT東西の「フレッツ」を別途契約するタイプの「OCN光 with フレッツ」と、回線・接続サービス一体型の「OCN 光」の2種類です。
「OCN for ドコモ光]というのもありますが、こちらは実質ドコモの携帯電話の割引がセットになった商品です。
「OCN 光」は、2業者契約方式の「OCN光 with フレッツ」の手続きが面倒くさい、ということで登場してきたサービスなので、この両者を比較した場合「OCN光 with フレッツ」をチョイスする利点はほぼありません。
ADSLも提供されていますが、こちらはさほど遠くない将来サービスが終了する可能性があるので、OCNは実質「OCN 光」用の固定回線業者であると考えてよいでしょう。
気になる料金ですが、「OCN 光」は、マンションタイプで月額3,600円、一戸建てタイプで5,100円です。
もちろん、回線料金とプロバイダ料金がセットになっています。
・auひかり
その名の通り、auの属するKDDIグループの回線を利用してインターネット接続を提供しているプロバイダです。
NTT系のサービスよりも後発なので、評判の悪かった「プロバイダ・回線業者別契約」を完全に廃し、プロバイダと一括契約できる形式となっています。
回線は光回線のみで、モバイル回線は扱っていません。
モバイル回線に関しては、同じKDDIグループのUQコミュニケーションズが提供する「WiMAX」を使ってくれということのようです。
利用料金は一戸建てで月額5,100円、マンションタイプで月額3.800円になります。
先に述べたようにNTT系と比べると後発なので、キャッシュバックキャンペーンやau携帯電話とセットにした割引などを積極的に実施しています。
ただ、新規に導入する場合初期費用で30,000円程度かかってしまう(NTT系でも同じですが、auを選ぶ価格的メリットが出にくくなります)ので、主にNTT系の回線からの乗り換えを考える人向けと言えるでしょう。
・Yahoo!BB
ADSL普及期に良くも悪くも有名になったプロバイダです。
現在ではADSLだけでなく、光固定回線向けの「SoftBank光」と、「SoftBank Air」というサービスを提供しています。
「SoftBank光」は、NTTのフレッツ回線を利用する「光コラボレーション」系のサービスで、基本オプション込みで集合住宅向けが月額4,100円、一戸建てが5,700円になります。
フレッツ光を利用して乗り換える場合「転用」扱いとなるので初期費用は不要となります。
ソフトバンクの携帯電話を使用していた場合、通話料の割引が行われるので、今までフレッツ系のサービスと、ソフトバンクの携帯電話を使用していたユーザー向けです。
「SoftBank Air」は、固定回線でも無線でもなく、電力線を利用するというちょっと変わったインターネット接続サービスです。
サービス提供エリアであれば工事不要で、端末を家庭用の電力コンセントに接続すれば利用可能になるという手軽さが売りですが、速度は下り最大で261Mbpsと、光回線と比べるとかなり遅めですが、安定度を考えると一般的なモバイル回線よりは体感的に高速になります。
月額料金は、端末を分割払いで購入した場合3,996円から、レンタルで使用する場合4,480円からです。端末料金が高いので、月額料金だけ見るとお得感は今ひとつとなってしまっています。
なお、Yahoo!BBの場合も、モバイル回線接続はグループ会社のソフトバンクモバイルかワイモバイルのサービスを使ってくれ、というスタンスを取っています。
・Biglobe
Biglobeはインターネット接続が普及する以前から「パソコン通信」のサービスを提供していた歴史の古い業者です。パソコン通信サービスを終了した後は、プロバイダ専業となりました。
Biglobeは現在、光系は「フレッツ」、「光コラボレーション」、「auひかり」、「コミュファ光(中部地方限定のauひかりに相当するサービス)」の各種回線を使ったプロバイダサービスを提供しています。
「フレッツ」以外は回線契約も一括して申し込めるサービスです。
「光コラボレーション」の場合、一戸建てで月額5,180円、マンションタイプで4,080円ですが、契約後最初の24ヶ月に限り300円~500円程度の割引が行われます。
auひかりの場合一戸建て5,600円、マンションタイプが3,400円からとなります。auひかりの場合、光コラボレーションとは逆に、長期利用すると徐々に料金が割引されるシステムとなっています。
モバイル回線では、WiMAX系のサービスが提供されています。月額料金は、通信量の上限がない「ギガ放題」が4,380円で、契約してから2ヶ月間の間割引されます。
なお、いわゆる「格安SIM」も提供しており、こちらの端末を使用してのインターネット接続(テザリング)も可能です。
・@nifty
@niftyもパソコン通信サービスから発展してきた業者で、サービス内容はBiglobeとよく似ています。
固定回線では光コラボレーション、auひかり、ADSL、モバイル回線ではWiMAXに対応しています。格安SIMを提供している点もBiglobeと同じです。
光コラボレーションサービスは「@nifty光」という名前で提供されており、月額料金は一戸建てが5,200円、マンションタイプが3,980円ですが、新規契約の場合に限って契約から24ヶ月間はそれぞれ4,500円、3,400円に割り引かれます。
auひかりはホームタイプで4,900円、マンションタイプで3,400円からとなっていますが、利用期間を限定して割引が行われています。
WiMAX回線は「ギガ放題」で月額4,350円ですが、これにも細かな割引きサービスが存在します。
・ADSL
ADSLは、21世紀の初頭に普及したインターネットへの接続方式で、アナログ通信用の電話回線を利用し、デジタル信号をやりとりしてコンピュータ間の通信を行う技術です。
通常電話回線(メタル線)は、元々デジタル通信には対応していなかったのですが、そこに無理やりデジタル信号を通していたため、各種のノイズに弱く、通信速度は場所により大きく差が出ることになりました。
現在ではメタル線そのもののインフラが旧式化し、遠からずメタル線のネットワークが一掃されるようになると思われます。
そういう意味ではADSLは時代遅れとも言えるのですが、携帯電話の回線以上に提供エリアが広い点、技術の発展がない分利用料金が安くなっている点など、割り切れば便利に使える可能性があります。
ADSLサービスの申し込みは、Biglobeや@niftyのような総合プロバイダか、Yahoo!BBのようなかつてADSLを積極的に普及させたプロバイダから行うのがよいでしょう。
その他モバイル系
モバイル系のプロバイダは、独自の回線を持っているワイモバイル・ソフトバンクモバイル系、ドコモ系と、au系のWiMAX系の業者に分かれます。
ソフトバンクやドコモはグループ企業以外に原則接続サービスを開放しておらず、こちらの回線を利用したい場合にはそれぞれの回線業者に申し込むことになります。
au系のWiMAXのみは、外部の業者に広く開放されており、激しい価格競争が展開されています。
高額なキャッシュバックなど、利用者にとって有利なキャンペーンも行われていますので、「他の条件はどうでもいいからとにかく安いのを」と言った場合、ADSLとともに候補になり得ます。
ただ、回線速度やデータを盗むことができてしまうADSLよりは安全で、安くなってきているネット回線を選ぶのがいいでしょう。
以上、プロバイダーで比較する、ネット回線の選び方でした。どんな回線を選んだらいいかわからない場合は電話で専門のスタッフに相談してみることをオススメします。
GEAR
最新記事 by GEAR (全て見る)
- 50Mbpsの速さはどのくらい?動画やゲームもどれぐらいの速さなのかを解説 - 2021年12月21日
- 【光回線】40Mbpsがどのくらいの速さとなるのか具体的なイメージを持とう【動画・オンラインゲーム】 - 2021年12月21日
- 急にインターネットが遅いと感じたら?見直すべきポイントまとめ - 2021年12月17日