自宅のインターネット回線は固定orモバイル?ネット回線の比較ポイントまとめ

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インターネット接続サービスには、さまざまな種類があります。このため、導入しようとしているユーザーの住環境や使用スタイルによって、ベストの回線は変わってきます。ここでは、どういうユーザーにどういう回線が適しているのか、ズバリ解説します。

固定回線orモバイル回線?回線の形式を解説

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インターネットの回線は、大きく分けると固定回線とモバイル回線の2つに分けられます。かつては固定回線による接続が大多数を占めていましたが、ここ数年でモバイル回線の性能が急上昇し、固定回線と比較しても遜色のない側面も出てきました。

・固定回線の場合

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固定回線は、一般家庭に新規に導入するもの(光回線)と、すでに住宅に引き込まれている既存の通信回線を転用するもの(モデム接続・ISDN・ADSL)に分かれます。

ケーブルテレビ接続は、一戸建ての場合新規に引き込むケースが多いですが、集合住宅だと建築時に配線が終了しており、機器を接続すればすぐ使える例が多く見られます。

速度的には、既存の通信回線利用のものよりも、新規に導入する回線の方が高速になります。

電話線は、20世紀の終わりからしばらくインターネット接続の主役でしたが、現在ではインターネットの高速化についていくことができなくなり、ISDNもADSLもその歴史的な役割を終えつつあります。

ただし、ADSLは手軽かつ安価に導入でき、技術が枯れきったために安定性もそこそこなので、とにかくインターネットに接続できればいい、というユーザーにとっては現在でも有力な選択肢になり得ます。

・モバイル回線の場合

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現在の日本では、インターネットの回線はそのあたりにある電柱までは届いているのですが、電柱から一般家庭内までの配線が未整備な状態となっています。

従来は、この電柱から家庭までの配線を、新規に敷設したり既存の通信線を利用して繋いだりするのが主流だったのですが、後に「無理に固定線を引かずに無線で繋いでしまおう」というアイディアが出されます。

モバイル・インターネット接続は、こうした発想から生まれました。

携帯回線と専用回線

こちらも、既存の通信回線を転用するものと、専用の回線を利用するものの2種類があります。既存の通信回線というのは携帯電話の回線で、専用回線というのはいわゆるWiMAXです。

固定回線の場合、既存の通信回線を利用するタイプは、通信速度の上限が低くなりがちという欠点がありました。

これは既存の通信線(主に電話線)が本来高速データ通信のことを考慮せずに設計されていたためです。

しかし、無線の場合は有線のように通信線の物理的な制約を受けませんので、原理的には転用でも専用線でもパフォーマンス的に差はありません。

現在提供されているサービスでは、WiMAXの方が携帯電話回線利用のものよりもやや高速になっていますが、たまたま今はそうなっているだけで「WiMAXの方が常に携帯電話回線よりも速くなる」というわけではないのです。

WiMAX

WiMAXは、KDDIグループのUQコミュニケーションズが回線インフラを提供し、多くのプロバイダと呼ばれる業者が、この回線を利用してのインターネット接続の窓口サービスを行っています。

どこのプロバイダと契約しても、WiMAXである限りは使用する回線インフラは同じであるため、プロバイダによってパフォーマンスに差が出るということは基本的にはありません。

KDDIグループは専用線に相当するWiMAXの提供に注力しているため、既存の携帯電話ネットワークを利用したモバイル通信サービスは提供していません(WiMAXのエリア外でauの回線を利用して補助的に通信を行うことはできます)。

ドコモ回線

しかし、ドコモとソフトバンクは、携帯電話回線を使ってのデータ通信サービスを提供しています。

ドコモの場合、複数の携帯電話ユーザーが存在する家庭向けのサービス、という位置づけなので、個人ユーザーにとってあまり使いやすいものではなく、一般にあまり普及してはいません。

ソフトバンクは、かつて携帯電話回線を使ったデータ通信中心でサービスを展開していたイー・モバイルを傘下に収め、ワイモバイルと改名させています。

ソフトバンクグループのモバイルインターネット接続サービスの中心はこちらになっています。ソフトバンクブランドでもサービスは提供していますが、実質的には同じものです。

ソフトバンク・ワイモバイル回線

ソフトバンク・ワイモバイルの場合、他社に契約窓口業務を委託していません。このため、プロバイダを経由せず回線業者と直接契約するスタイルになります(回線業者そのものがプロバイダを兼ねています)。

なお、各社から提供されているスマートフォンも、その実態は「通話も可能なデータ通信端末」なので、パソコンやゲーム機、タブレットといった情報端末のインターネット接続を仲介することが可能です。これを「テザリング」といいます。

月あたりのデータ通信量が少ない場合、格安スマホを利用したテザリング接続も、リーズナブルなインターネット接続手段として候補に上がってきます。

固定回線とモバイル回線の比較ポイント

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固定・モバイルを問いませんが、インターネット接続方式を比較する場合重要なのは、「速度」「導入までの期間」「サービス価格」などでしょう。

モバイル回線の場合、これに「通信安定性」と「サービス陳腐化までの速度」というのが追加されます。

無線接続関連の技術は、現在凄まじい勢いで進化しており、最新・最速のサービスで契約したはずなのに、半年もしたら新しい技術に基づいたサービスが提供され、時代遅れになる、ということがよくあります。

例えば現在のところ速度・価格においてはWiMAX系が携帯電話系を上回っていますが、2年後にはどうなっているかわかりません。

モバイル回線の契約は携帯電話同様2年もしくは3年単位が基本です。契約期間が満了すると、「更新月」として、契約解消時の違約金がゼロになる月が設定されます。

このため、モバイル回線は契約更新月まで使用したら、その時点で最もコストパフォーマンスのよいサービスに乗り換えることを前提に使用すべきものと言えます。

長い間最高の通信環境を維持しようと思った場合、各種技術の陳腐化のスピードを見抜く知識が必要になります。

月額費用について

価格的には、既存インフラを流用できるADSLが最も安いランクとなります。しかし、最近では格安スマホを使ったテザリング接続が、ADSLを脅かしています。

絶対的な価格では、最低価格帯で契約した格安スマホ利用の方に軍配が上がりますが、こちらだと月に利用できるデータ量の上限が少なく、すぐに速度制限を受けることになります。

他方ADSLは、速度的には非制限時の格安スマホよりも遅くなりますが、基本的に使い放題で、データ量によって制限を受けるということがありません。

通信線についても、一般電話回線の流用で済むため、工事は電話局内だけで完結し、ユーザーは後から送られてきたADSLモデムを接続すればすぐ利用できます。

WiMAX・携帯電話回線利用系のモバイルインターネット接続は、価格的には中程のランクに位置します。ただし、工事が不要なので工事費も取られることはありません(工事費の代わりに初期費用というのを取られることはあります)。

なお、モバイル回線の場合、先に述べた技術の陳腐化により長期の契約は現実的ではありません。このため、他のケースの場合ではあまり問題にならない解約時の違約金の金額についても注意しなければなりません。

一戸建て向けの光回線は月額料金も最高クラスで、さらに新規導入の場合には3万円前後の工事費が必要になります。

なお、すでにNTTのフレッツ光のサービスを導入していた場合、プロバイダ利用の「光コラボレーション」に乗り換えると月額料金が安くなり、さらに各種の特典を受けられる可能性が高まります。

回線速度

各種の回線の速度を順番に並べていくと、最も速いのが一戸建て向け光回線、次がほぼ団子状態で集合住宅向け光回線・モバイル回線、やや遅れてケーブルテレビ接続、最後にADSLという順番になります。

集合住宅向けの光回線やケーブルテレビ(光ハイブリッドなどという呼び方をします)の場合、導入した家庭まで光ファイバーが引き込まれるわけではなく、末端は電話回線や同軸ケーブル経由になります。

最高速度はこの末端部分の回線の種類によって決まるので、最後まで光ファイバーを使用する一戸建て向けには及びません。

モバイル回線の場合、業者のホームページに掲載されている数字は、理想的な環境下における最高速度であるため、どのような環境下でも同じ速度が出るわけではありません。

モバイル回線に限らず、インターネット接続はすべて「ベストエフォート」といい、必ずしもカタログ値通りの数値が出るわけではない、とされているのですが、無線通信の場合は有線通信よりも減衰の度合いが強く、実測値はカタログ値よりもずっと低めになります。この点は注意しておきたいところです。

ケーブルテレビ接続がかなり遅い部類になっているのは、通信線の材質の問題というよりは、業者側の設備が貧弱で渋滞を引き起こしやすいためです。

利用可能場所

固定回線は当然ですが、導入した家の中でしか使えません。室内にWi-Fiアクセスポイント(ルータとセットになっている商品も数多くあります)を設置すると、一戸建ての家の庭程度でならWi-Fi端末での接続ができることがありますが、本来屋内での利用を前提としているのでそれが精一杯です。

モバイル回線の場合、モバイルルータを持ち歩くことができるので、場所を問わずに接続ができます。

もっとも、固定回線であってもプロバイダによっては各所の公衆Wi-Fiホットスポットを利用可能になるので、それらを利用すれば外部での接続も限定的に可能になります。

提供エリア

提供エリアが一番広いのは、基本的に有線電話を引けるところならどこでも使えるADSLです。NTT系の光回線も、現在では整備が進んだので全国の大部分で導入できます。

有線系と比べると、モバイル系は基地局を整備しなければ使えないため、提供エリアはやや制限されます。

モバイル系でも携帯電話の回線を利用するものは、専用回線であるWiMAXよりやや有利です。

導入前に、同じ系列会社の携帯電話を持っていれば(具体的にはソフトバンク携帯とワイモバイルのポケットWi-Fiのケース)、アンテナ感度を確認してデータ通信が利用可能かチェックすることができます。

通信料

月額通信量は、一戸建て用光回線が最も高く、次いでモバイル系・集合住宅用光回線・ADSLの順になります。

ケーブルテレビ利用の場合は、インターネット接続サービス単体で契約すると光回線よりも高くなりますが、テレビ視聴とセットにした場合、総合的に割安になります。

通信安定度

通信安定度は、有線系が無線系よりも優位となります。中でも高い安定性を誇るのは一戸建て用光回線です。通信線の基本性能そのものが高いためです。

ADSLは、本来アナログ通信用だった電話線を強引に高速デジタル通信に転用したものです。

このため局と導入家庭の距離や、配線周りの環境の影響を受けやすかったのですが、次第に各種の問題が解決され、それなりに安定するようになっています。

少なくとも、標準解像度の動画がストレスなく再生できる程度の速度は確保できているようです。

初期費用

初期費用としてかかる金額が最も多いのは一戸建ての光回線を新規に導入する場合です。この場合、家の中に光ファイバーケーブルを引き込む工事をしなければなりません。

ケーブルテレビを一戸建ての住宅に引き込む場合も同様の工事が必要になりますが、デジタル放送が普及した現在、一戸建ての家庭にケーブルテレビを引き込む意味はほとんどなくなっています。

いずれにしろ、工事が必要な場合は初期費用に工事費が含まれると考えなければなりません。

他の回線の場合具体的な工事を必要としない場合が多いので、初期費用は業者によってまちまちです。

特にWiMAXなどの場合、安くした月額基本料金を取り戻す目的で初期費用が設定されているケースもあり、そのような場合には業者はよく「今なら初期費用無料キャンペーン」というのを実施します。

自分の用途に合わせて選ぶ

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すでに述べたように、インターネット接続はその人の利用スタイルによってベストな回線が変わってきます。導入を検討する前には、自分の置かれた環境、自分の利用スタイルをよく確認しておくことが必要です。

1,動画をよく見るか

動画視聴は現在のインターネット利用の中心になっている、と言ってもいいでしょう。標準解像度の動画であれば、ADSLを含む現在提供されているすべての回線で、問題なく再生が可能です。

高解像度の動画をパソコンで再生する場合、回線の状態によってはADSLでは苦しくなることもあり得ます。ただし、他の回線だとこちらもほぼ問題なしです。

動画視聴がメインである場合、気をつけなければならないのは回線速度よりも月に利用できるデータ容量の上限です。

携帯電話回線経由やWiMAXの場合、容量上限が設定されているケースがあるので、通常時の速度よりもこちらの方がネックになります。

2,オンラインゲームをするのか

オンラインゲームといっても、ブラウザでプレイするタイプのゲームの場合、データ通信量はそれほど多くありません。

問題になるのはパソコンに高性能のグラフィックボードを追加しなければプレイが困難になるようなゲームですが、こちらにしても現状のほとんどの回線は速度面では合格レベルに達しています。

こちらの場合も主に問題になるのは、携帯電話回線やWiMAXの場合の「速度制限」です。

3,外でも使いたいのか

インターネットに接続する端末がデスクトップパソコンのみ、という場合、元々端末を外に持っていくことはできませんから、インターネット回線は固定線でよい、ということになります。

しかし、パソコンはノートタイプで、それ以外にもタブレットなども使っている場合には、外に出て使用するケースも想定されるでしょう。

この場合携帯電話回線系かWiMAXが候補に挙げられますが、居住している場所が都市部で、「出先で接続とはいってもコーヒーショップやファミレスにノートパソコンを持ち込んで『ノマド』をしているのだ」などという場合は必ずしも移動可能なインターネット接続環境は必要ではないかも知れません。

というのは、これらの場所では公衆無線LANが完備されていることが多く、そちらのサービスに加入していれば利用できてしまうからです。

有線系のプロバイダは、かなり多くが公衆無線LANのサービスと提携しており、こちらに加入すれば追加料金なしで公衆無線LANを使用可能になります。

つまるところ、固定されたポイント間の移動が中心であるのなら、完全なモバイル環境は必要ではなく、「あった方がいい」となるのは自動車や自転車などに搭載した場合など、不特定な線の移動が中心となる場合に限定されるようになってきています。

4,一人暮らしかどうか

一人暮らしである場合、郊外の一戸建てに住んでいるケースは、比率的には少なくなり、アパートやマンションなどの集合住宅に住んでいる可能性が高くなります。

集合住宅の場合、光ファイバーを家の中まで引き込むことは難しいので、他の接続手段が有力候補になります。

集合住宅で使える「光回線」は、末端部分で電話線を利用する「なんちゃって光接続」ですが、速度的には一戸建て光回線以外の他の接続方式と同レベルまで出ます。

また、家族がいた場合、モバイル接続環境を一人が専有し、外出時に持ち出されてしまうようになると、残された家族は不便を被ることになります。

このようなことから、総合的に一人暮らしであればモバイル回線を導入した方が有利である場合が多く、家族と同居している場合は高速な固定回線を導入した方が有利である、ということが言えます。

5,自分の住んでいるエリア

ケーブルテレビを除く固定回線は、離島や極端な山間部を除けば国内ほぼどこでも利用できるようになってきています。

自分の居住エリアが光回線対応かどうかは、慣れた人なら近くにある電柱を見れば判別できます。通信用光ファイバー関連の機器は、通常の電話線用のものとは異なっているので、それを目当てにできるのです。

モバイル回線のうち、ワイモバイルのポケットWi-Fiは、ソフトバンクの携帯電話が利用可能なところで使えます。

WiMAXはそのままでは使えるかどうかはわかりません。ただし、auの携帯電話の回線を利用するモード(追加料金が必要)があるため、au携帯電話が使えるエリアであれば、とりあえず導入可能だというのがわかります。

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ライター歴20年を超えました。IT系を降り出しに萌え系・漫画・ゲームなど広範囲にネット・紙媒体問わずに活動しています。IT系の仕事は90年代からソフトバンク・毎日コミュニケーション・日経・アスキーなど当時のほぼすべてのIT系出版社の媒体への掲載実績があります。

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