JCOMのwifiは遅いのか?評判は良くないようです【インターネット回線比較】

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J:COMは株式会社ジュピターテレコムのブランドで、日本最大のケーブルネットワーク網を持っています。ケーブルテレビのネットワークを使用して、インターネット接続サービスも提供していますが、その評判はあまり芳しいものではありません。

J:COMについて

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ジュピターテレコムは1980年代に設立され、その後積極的に各地の独立ケーブルテレビネットワークを傘下に収める形で成長し、現在では日本最大のケーブルネットワーク網を持つに至りました。

実はこの急激な規模拡大が、悪評のひとつの原因になっています。

J:COMが吸収した地域のケーブルテレビ会社は、それぞれ独自のサービスメニューと価格体系を持っていました。しかし、吸収後J:COMはそれらを旧来のJ:COMのスタイルに統一していったのです。

吸収前のケーブルテレビ会社の料金が、J:COMのものより安かった場合には、ユーザーからすれば値上げになります。また、サービスメニューの統合も、人によっては「サービス低下」と受け取られたでしょう。

さらに、サポートについては間違いなく質が低下したことになります。吸収合併によりサポートセンターの統廃合が行われているので、都市部においてはサポートセンターがこれまでよりも遠くになってしまった、ということがあったのです。

それまでは、「サポートセンターがごく近くにあるからいざという時にはすぐ来てくれる」という安心感があったのですが、吸収後はそうではなくなります。

これらの要素が重なった結果、「統合前よりも状況が悪くなった」と思う人が相当数にのぼるようになり、悪評が生まれる土壌が生じたものと考えられます。

ケーブルテレビ(CATV)会社

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J:COMの本業はケーブルテレビです。ケーブルテレビは、アナログ時代のテレビ難視聴問題を解決するために生まれた有線テレビのシステムです。

電波を使わず、光ファイバーや同軸ケーブルを使って家庭内のテレビとテレビ局とをつなぎ、ノイズやゴーストの入らないクリアな映像再生を可能としている点を売りにしていました。

ただし、テレビ放送がデジタル化され、ノイズもゴーストも原理的に発生し得ないようになると、難視聴問題の解決手段としてのケーブルテレビの存在意義は失われてしまいます。

ケーブルテレビが普及するようになると、都市部の集合住宅はほぼすべてがケーブルテレビの導入を前提とした設計がされるようになりました。

この結果、地下などに設置された配電盤室から各戸に、同軸ケーブルが張り巡らされ、集合住宅の入居者は、ケーブルテレビ局と契約してセットトップボックスと呼ばれる機器とテレビ、室内のアンテナコンセントを接続すると、工事なしでケーブルテレビを視聴できるようになったのです。

現在ケーブルテレビ局では、地上波・衛星の無料放送をそのまま流すサービス(パススルー)と、有料の衛星放送を提供するサービスを主に提供しています。

有料の衛星放送は、ユーザーが独自に衛星放送用のアンテナを設置し、スカパーなどと契約すればケーブルテレビを介さずに視聴できます。

しかし、都市部の集合住宅の場合、共用アンテナが新しいタイプの衛星放送に対応してなかったり、各戸にアンテナを設置することが不可能であったりするため、多チャンネル視聴の手段としてケーブルテレビ局との契約はいまだ有効となっています。

テレビ・インターネット・電話のセット

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都市部の集合住宅において、建築時から用意されている外部への通信インフラは、電話線(メタル線)とケーブルテレビのみというのが基本です。

インターネット接続が普及してくると、この両方がインターネット接続に利用されるようになります。というより、他にないからこれらを利用するしかなくなったというのが実態に近いでしょう。

最初に使用されたのはメタル線です。こちらは元々アナログの音声通話を前提にしているインフラなので、高速通信に適していません。

外部の影響を受けやすくなるのを承知で規格外の高速通信を行うADSLという技術が開発されましたが、それでも速度の上限は数十Mbps止まりで、本格的な高速通信には使えませんでした。

現在では集合住宅向けの光接続サービスというのも各社から提供されるようになっていますが、これは配電盤室まで光ファイバーを使用し、そこから各戸へはメタル線経由で接続する方法を取っています。メタル線での通信にはVDSLという技術が使われます。

これはADSL同様規格外のデジタル通信を強引に行うというものですが、ADSLが各戸から電話局までの比較的遠距離をカバーするのに対し、各戸から配電盤室までという短い距離だけカバーすればいいということで、ADSLよりも高速通信が可能で、ノイズの影響も低くなっています。

ただし、これを使っても100Mbpsの壁をようやく破れる程度に過ぎません。要するに、メタル線はどこまでいっても「20世紀の通信インフラ」でしかなかったわけです。

次に目をつけられたのがケーブルテレビの配線です。集合住宅内部のケーブルテレビ用の配線は、大半が同軸ケーブルを利用したものとなっています。最新の集合住宅では、光ファイバーケーブルを導入したものもありますが、まだ少数派です。

同軸ケーブルの通信速度の限界は、メタル線よりも高くなっています。

光ファイバーケーブルのように、1Gbpsオーバーの高速通信ができるわけではありませんが、高画質の動画データの再生には無理なく対応できるレベル(テレビ放送そのものが高画質動画データですから)に達しています。

つまり、21世紀の通信インフラとして、一応合格点を与えられるということです。

21世紀の通信インフラの本命は光ファイバーなのですが、光ファイバーケーブルは折り曲げが難しく、集合住宅の既存の通信配管の中に挿入することが困難です。

このため、同軸ケーブルを積極的に利用しよう、という動きが出てきました。

この結果、ケーブルテレビ会社は、主に都市部の集合住宅を相手に、テレビ放送とインターネット接続をセットで提供する企業に変わっていったのです。

高速なインターネット接続が可能になると、インターネット回線を通じて電話を行うことも可能になるので、インターネット電話もサービスに加えられています。

ケーブルテレビのインターネット回線の評判は良くない

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J:COMに限らずケーブルテレビ会社のインターネット接続は、あくまで副業であり、各社ともあまり熱心に運営していないというのが実情です。

また、そもそもケーブルテレビ接続の主力である同軸ケーブルが、光ファイバーケーブルと比べると能力が不足しているため、光接続並の快適さを得ることができないという事情もあります。

・速度は光回線に比べると遅い

同軸ケーブルはかつて、コンピュータのローカルエリアネットワーク(LAN)用の接続ケーブルとして使われていました。

しかし、同軸ケーブルは取り回しが難しく高速化も困難だったため、その後ツイストペア(より対線)ケーブルに取って代わられています。

2000年代のはじめには、同軸ケーブルの高速化の研究が行われていましたが、最終的には「光ファイバーに移行した方がマシ」という結論になりました。

ケーブルテレビ会社では、インターネット接続を紹介する際に、「光ハイブリッド」と「光」の二通りの方式があると説明してきます。

しかし、この「光ハイブリッド」というのは、幹線部分では光ファイバーだけれど、集合住宅の配電盤室から各戸までは同軸ケーブルによる接続なのです。

高速ネットワークを構築するには、端末から幹線部まで全部高速な媒体を使用していなければなりません。

途中に低速な媒体が混じっていれば、全体がその低速媒体に引きずられて速度が低下してしまうのです。

「光ハイブリッド」の場合、幹線部分が光ファイバーであろうと何であろうと、同軸ケーブルがボトルネックとなりますので、同軸ケーブルの限界以上の速度はどうやっても出ません。

実際には同軸ケーブル接続にすぎないものを「光ハイブリッド」と称しているため、ユーザーは光と同等のパフォーマンスを想像し、実際にそうではなかった分落胆して、辛い評価をつけてしまうのではないかと思われます。

・混雑時は使い物にならないこともある

ケーブルテレビ会社にとって、インターネット接続はあくまで副業です。少なくとも、2000年代まではそうでした。

ですから他のインターネット回線提供会社と比べると、インフラ整備にあまり予算をかけていません。設備の更新ペースもゆっくりです。

ケーブルテレビによるインターネット接続の場合、局側にテレビ放送用ケーブルとインターネットとを接続する機器があるのですが、ここが混雑するとその局経由で接続している端末すべてに影響が出ます。

専門のインターネット回線提供業者なら、このボトルネックをきちんと認識し、最優先で設備を更新していくのですが、ケーブルテレビ局はそうではないため、携帯電話と同じように、月あたりの通信量に上限を設けたり、通信速度の上限を低めに設定したりして問題を解決しようとします。

このあたりの差も、ユーザーに「ケーブルテレビ接続はなってない!」と思わせる原因になっているでしょう。

・そもそも繋がらないことがある

これも「テレビ第一、ネットは副業」という発想の結果でしょう。インターネット接続の出口が渋滞していると、後から接続しようとしてきた端末は弾かれてしまうことがあります。

ただ先に述べたようにケーブルテレビ局そのものの社会的立場も徐々に変化しており、そうそう「ネットは副業」とも言えない状況になってきています。

これらはネット関係の設備を更新していけば解決する問題なので、今後改善されることが予想されます。

重点はテレビサービス

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・テレビのチャンネル数が豊富

ケーブルテレビは、地上波やBS・CSの無料放送だけでなく、BS・CSの有料チャンネルもセットで申し込み、視聴することができます。

郊外の一戸建ての場合、衛星アンテナを設置すればこれらはケーブルテレビを介さずに視聴可能になりますが、先に述べたように都市部の集合住宅ではアンテナ設置が困難なので、ケーブルテレビ局と契約した方が便利なことが多いのです。

なお、アンテナ設置の自由度の高い郊外の場合、ケーブルテレビのサービスエリア外であることが多いので、これらは排他の関係にあると言えるでしょう。

・インターネットはおまけ程度

ケーブルテレビ局にとってインターネット接続は長い間「おまけのサービス」でしたが、すでに述べたように近年はそうも言っていられない状況になってきています。

現在のケーブルテレビ局は、「都市部の集合住宅の主要通信インフラのインターフェイスを握っている企業」なのです。

一般家庭のインターネット接続のニーズが高まれば、それに対応せざるを得ません。

なお、J:COMは現在はKDDIの関連企業となっています。そういう意味では、「データ通信にどう取り組むべきか」というテーマが徐々に浸透してきているし、今後それはさらに深まっていくだろうと予想されます。

・インターネットが主目的なら不向き

料金体系的に、ケーブルテレビ局のインターネット接続は単独で契約するとかなり「お高い」ものになってしまいます。

しかし、テレビ視聴とセットで申し込んだ場合、驚くほどインターネット接続部分のコストは低くなります。

つまり、「テレビ視聴セット」と「テレビ視聴+インターネット接続セット」の価格がほとんど変わらないのです。

単独のインターネット接続契約の月額料金は、他の回線を使った場合の料金よりも高めなので、テレビとセットで申し込まないと損、ということになります。

・光回線やWiMAXのほうが良い?

「ケーブルテレビの接続はどうも評判悪いから光にしよう」と思う人は多いのですが、ケーブルテレビでのインターネット接続が利用可能なところ(都市部の集合住宅)はほとんどの場合、各戸単独で光回線を導入するのが困難となっています。

「アンテナも通信線も各戸別に導入できないから共有化しよう」という発想でケーブルテレビの配線がされているのですから、これはある意味当然です。

集合住宅で導入可能な「光回線」は、マンション地下まで光ファイバーだけれどそこから先はメタル線という、ケーブルテレビの「光ハイブリッド」と発想的には同じものです。

VDSLを使おうとメタル線の限界は同軸ケーブル以下ですから、少なくとも通信線レベルではケーブルテレビよりも速くなることはありません。

現実にケーブルテレビの方が、マンションタイプの光接続よりも遅くなるのは、ほとんどがケーブルテレビ側のネットワーク設備に問題があることに由来します。

つまりケーブルテレビ会社が「われわれは単なるテレビ屋ではなく通信インフラ提供企業なのだ」と発想を転換すれば、徐々に解決される性質のものです。

光がダメとなると次の候補になるのがWiMAXなどの無線接続です。

理論上の速度的には同軸ケーブルと同レベルで、回線業者側の通信インフラ整備状況がケーブルテレビ会社よりも上なので、通信条件がよければケーブルテレビよりも快適な接続環境が作れるでしょう。

ただし、「都市部の集合住宅」はWiMAXをはじめとする無線通信が最も苦手とするエリアでもあります。電波を遮蔽する他の建築物等があれば、通信速度はがくっと低下します。

基本的にケーブルテレビでのインターネット接続は、複数の選択肢から選べるようなものではなく、他の方法を選びにくい都市部の集合住宅という環境ではほぼ唯一の現実的な選択肢となっている、ということを理解すべきでしょう。


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Jcninc

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ライター歴20年を超えました。IT系を降り出しに萌え系・漫画・ゲームなど広範囲にネット・紙媒体問わずに活動しています。IT系の仕事は90年代からソフトバンク・毎日コミュニケーション・日経・アスキーなど当時のほぼすべてのIT系出版社の媒体への掲載実績があります。

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