インターネット回線の種類を比較して自分にあったものを選ぼう

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固定回線とモバイル回線

インターネット接続回線は、大きく有線接続(固定回線)と無線接続(モバイル回線)に分かれます。有線接続はさらに、一般電話回線を利用するものと、専用線を利用するものに分かれます。

一般電話回線を利用するものにはアナログモデム接続、ISDN、ADSLがあり、専用線を利用するものには光回線があります。ケーブルテレビ接続は、ケーブルテレビ用の回線を二次的に利用するもので、速度的には光回線に、接続形態としては一般電話回線接続に似ています。

無線接続は、携帯電話の回線を利用するものと、通話を考慮しない専用の無線網を利用するWiMAXの2通りがあります。携帯電話接続とWiMAXは、元々は異なる発想から生まれた接続形態ですが、「有線接続を利用しないで高速データ通信を行う」という目的が同じなので、技術的にはどんどん接近していっています。

利用用途によって選ぶ

先にざっと説明しましたが、固定回線は光回線・ケーブルテレビに代表される高速型と、アナログモデム・ISDN・ADSLに代表される低速型に二分できます。低速型のうち、アナログモデム(最高速度56Kbps)やISDN(同128Kbps)は今ではまったくと言っていいほど使われなくなりましたから、低速型はほぼADSLのみになったと考えていいでしょう。

一方、モバイル回線ですが、固定回線ほどはっきりと高速型・低速型には分かれません。ただし、同じ回線であっても、時代が古いものは低速であり、新しいものほど高速になります。

携帯電話回線利用の場合、提供時期が古いものは3G回線だけを使用する低速なものですが、最新のものはLTE(4G)回線を利用する高速なものになります。WiMAXは旧世代の無印WiMAXと、新世代のWiMAX2+に分かれており、同じWiMAX2+でも世代の新しいものは機能が追加されており、より高速に通信が行えます。

通信速度的には、最速が光回線で、それに続いて最新世代のWiMAX2+やLTE通信、ケーブルテレビなどが並び、その下に旧世代WiMAX・3G携帯電話通信・ADSLなどという順番になります。

固定回線のメリット

固定回線とはいっても、高速タイプと低速タイプはかなりその性格が異なっています。高速タイプの場合、すべての接続形式の中で最高クラスに位置する高速性と、場所や気候等の影響を受けにくい安定性が長所となります。

欠点は、最高速の接続形態を導入するための条件が、受け入れ側の住宅レベルで決定されてしまう(一戸建て住宅が最速になります)という点とコスト高、工事が必要となるため契約から利用開始までの期間が長くなりがちだ、という点が挙げられます。

低速タイプの場合、一般電話回線が使えるところならほとんどどこでも導入できるという敷居の低さと、利用料金の低さがメリットになります。デメリットは、電話局までの距離や配線の状態によって通信速度に差が出やすいという点、2010年代後半のインターネット接続手段としてはかなり低速である点などでしょう。

モバイル回線のメリット

モバイル回線の共通のメリットは、インターネットの接続環境を家の外に持ち出せる、ということにあります。インターネットへ接続端末の主役が携帯電話やタブレット、薄型のノートパソコンであるという場合、これは何ものにも代えがたいものとなります。

逆にデメリットとなるのは、高速タイプの固定回線と比べると、通信の安定性が今ひとつである、という点です。モバイル回線は周囲の環境の影響を受けやすく、ビルなど電波を遮蔽するものが近くにあると、通信環境がみるみる悪化することがあります。また、市街地を離れるとエリア外となってしまい、通信そのものが不能になることもあります。

これらの点については、携帯電話の回線利用の場合と、WiMAXの場合では微妙に差があります。携帯電話回線の方が長期間にわたり大規模にインフラ整備がされているので、建築物の影響を受けにくい形で基地局の整備が進められています。また、通信可能エリアもWiMAXよりもほんの少しだけ広くなっています。

なお、携帯電話の「バリ3エリア」年々体感できるペースで広がっていることからもわかるように、モバイル回線の通信インフラも急ピッチで整備されています。

このため数年前と比べると通信の安定性はかなり上がっています。今後さほど遠くない未来に、光回線との安定性の差は考慮しなくてもいいレベルにまでなる可能性があります。

固定回線の種類

光ファイバーで接続する「光回線」

一般に、インターネットへの接続というのは、その期間部分を構成している地域IP網と呼ばれる光ファイバーのネットワークと、ユーザーの持つ端末との接続のことを呼びます。この接続は、距離にすると平均1マイルほどになるので、「ラストワンマイル」などとも呼ばれます。

このラストワンマイルを、基幹部分と同じ光ファイバーで接続してしまうというのが、いわゆる「光回線」です。幹線部分は何本もの光ファイバーを束ねて構成しているのですが、一般利用者のところまで引き込まれる光ファイバーは通常一本です。

それでも一戸建て住宅に引き込まれた光回線は、現在あるインターネット接続の中で最も速い部類に属し、NTT系の回線を利用した場合でも最大1Gbps、Nuro光という業者の場合2Gbsもの速度を発揮します。

ただし、「爆速」なのは一戸建て契約の場合だけで、マンションなどの集合住宅の場合、建物の配電盤室までは光ファイバーですが、そこから各戸への配線は一般電話回線(メタル線)を利用するケースがほとんどです。メタル線を利用した場合、VDSLというADSLと原理的に同じ技術が使用されるため、速度はADSLよりもちょっと速い(安定性はだいぶ向上します)レベルに落ちてしまいます。

アナログモデム・ISDN・ADSL

20世紀の大部分の時代において、一般家庭に引き込まれている通信インフラというのは、メタル線を使った電話網だけでした。このメタル線は、本来アナログ派としての音声データを送受信することを主目的としたものです。

初期のインターネット接続と、それに先行するパソコン通信は、パソコンなどの内部で使われているデジタルデータを、モデムと呼ばれる機器でアナログ派に変えて送信し、受信側でまたデジタル信号に戻すという形で行われていました。

これでは不合理ですし、速度的な限界も低いので、デジタルデータをそのままメタル線に流そうという動きが出てきます。これらのうち、メタル線の本来持っている限界内部でやり取りできるように設計して作られた規格がISDNで、規格外を承知で無理やり高速データをやり取りできるようにしたのがADSLです。

一般家庭向けのISDN(企業向けの高速な規格も別にありました)の場合、最高速度は128Kbpsに過ぎませんでした。ただし、メタル線の性能限界内で設計されているので、ほとんどどのような環境においても最高速度に近い通信が可能だったのです。

他方ADSLは、規格外の高速通信であったため、基地局との距離が一定以上になると急速に減衰するし、基地局から端末まで、ありとあらゆる発生源からのノイズの影響を受けやすい、という欠点がありました。特に初期の場合、ADSL接続でどれだけの速度が出せるかは「開通させてみなければわからない」状態だったのです。

しかし、インフラ整備が最小限で済むというのでADSLは急速に普及し、その結果それなりに通信環境も改善され、ノイズの影響は受けやすいものの「開通させるまでどれだけの速度になるかわからない」ほどではなくなりました。

今ではADSLは導入エリアの広い、ある程度信頼のできる「枯れた技術」になっています。インフラ整備もほぼ完了しているので、初期費用・通信費用ともに安くなっており、「とりあえずインターネットにつながればいいや」程度の環境を構築するには適していると評価されています。

ケーブルテレビ(CATV)

「ラストワンマイル」をケーブルテレビ局の敷設した同軸ケーブル網を使って接続しようとしたサービスです。現在都市部の集合住宅は、建築時からケーブルテレビの導入が図られており、ほとんどの部屋には、局と契約すればケーブルテレビが視聴可能になるコンセントが用意されています。

ケーブルテレビ回線を利用したインターネット接続は、このコンセントに「ケーブルモデム」と呼ばれる機器を接続して行います。同軸ケーブルは、固定回線としてはかなり高速な部類に属しますが、光ファイバーほどではありません。ケーブルテレビ局側も、インターネット接続はテレビ視聴のおまけと考えているので、速度アップにさほど熱心ではありません。

料金の方も、インターネット接続のみで契約するとかなり割高ですが、テレビ視聴とセットにすると、テレビ視聴代込みで一戸建て用光回線接続と同レベルかそれ以下になります。同時にケーブルテレビも楽しみたい、という集合住宅居住者にとっては、有力な選択肢になり得ます。

光回線の種類

光回線は、大きく分けると「NTTとそれ以外」になります。NTTの回線は、契約形態の違いにより「フレッツ光」と「光コラボ」に分かれます。

フレッツ光

NTTが最初に提供した光回線接続サービスで、回線契約とプロバイダ契約が別になっています。有線接続の形態としてはこれが当たり前だったのですが、先に述べたように携帯電話から流れてきたユーザーが拒否反応を示したため、NTTでは契約窓口を一本化した「光コラボ」を開始し、将来的にはこちらのみにする姿勢を示しました。このため、新規に契約するメリットはあまりありません。

光コラボ

回線契約を含めたインターネット接続をプロバイダに一括して任せるタイプのNTTのサービスです。プロバイダ経由で契約するためどこの会社の回線を使っているかわかりにくくなりますが、「光コラボ」は例外なくNTTの回線を使用しています。このため、最高速度などもどこのプロバイダと契約しても同じです。

独自回線(auひかり、NURO光)

NTT以外で独自の光回線網を持っている企業としては、KDDIや地方の電力会社などが存在します。KDDIは、系列の携帯電話会社auを通じて「auひかり」というサービスを提供しています。これは「光コラボ」同様、プロバイダと回線契約が一体化したものです。

NTTの光接続サービスと比べるとかなり後発となっているため、月額料金などはNTT回線よりも心持ち安めに設定されています。NURO光は、プロバイダのSo-netが運営するサービスです。独自回線を持っているわけではなく、NTTが敷設したけれど使っていない回線(ダークファイバー)を使用しています。

かつてはUSENなども、ダークファイバーを利用したインターネット接続サービスを提供していました。完全な独自回線ではないけれど、それに準じたサービスだと言えます。NTTの回線とは独立した運営がなされているため、最高速度はNTTよりも速い2GBに設定されています。

モバイル回線の種類

モバイル・インターネットの最も初期の形態は、ノートパソコンにポータブルタイプのモデムをセットし、公衆電話のモジュラージャックに接続する、というものでした。これが後にPHSや携帯電話を介しての接続に変わっていきます。

やがてイー・モバイルという通信事業者が、3G携帯電話の回線を利用したデータ通信専用端末を販売するようになります。これが後の「ポケットWi-Fi」です。イー・モバイルは後にソフトバンクグループ傘下になり、ワイモバイルと社名を変更します。

3G時代になると携帯電話を使ったインターネット接続も盛んになります。それまでは言ってみれば、デジタルデータを音声用のデータに変えて音声用の回線を通じてやり取りしていたのですが、後には音声データをデジタルデータに変え、他の通信データと区別せずに外部とやり取りする、という方法に変わっていったのです。

これに伴い、データ通信の速度はどんどん加速していきました。この、携帯電話回線利用とは別の形で、ラストワンマイルを無線で実現しようとして登場してきたのがWiMAXです。

WiMAX

「WiMAX」は元々は無線を使ったインターネット接続の規格に与えられた名称でしたが、KDDIのグループ企業であるUQコミュニケーションズが、WiMAXの技術を使ったインターネット接続サービスの名称として使うようになりました。

現在ではWiMAXの発展版である「WiMAX2+」というサービスが主流になっていますが、こちらは通信規格の名称とは関係のないものになっています。無線接続系では最速とされていたWiMAX2+ですが、最近ではLTE系携帯電話回線接続に激しく追い上げられています。

スタート時点ではかなり違っていたWiMAXと携帯電話ですが、結局のところ向かうところが同じであったために相互で技術がやり取りされ、どんどん似たようなものに進化しています。現時点では、データ通信専門か音声通信も行うか、程度の差しか実質的にはない状態になっています。

テザリング

携帯電話のデータ通信機能を、他の端末で借用するインターネット接続方式のことを「テザリング」といいます。かつては携帯電話キャリアでは、通信量が膨大になるテザリングは嫌われ、制限を課せられることが多かったのですが、ニーズが高まるとともに徐々に解禁されるようになりました。

「ポケットWi-Fi」のように通話のできない専門の機器を使用する携帯電話回線によるインターネット接続も、本質的にはテザリングと同じです。現在では、「格安携帯電話」を使ってのテザリングが、最低価格帯で実現可能なインターネット接続として注目を浴びるようになっています。

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ライター歴20年を超えました。IT系を降り出しに萌え系・漫画・ゲームなど広範囲にネット・紙媒体問わずに活動しています。IT系の仕事は90年代からソフトバンク・毎日コミュニケーション・日経・アスキーなど当時のほぼすべてのIT系出版社の媒体への掲載実績があります。
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