VDSLとADSLの違いってなに?:光回線の補助として利用されるVDSL

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高速回線のVDSLとは?

 VDSLとは、ADSL同様、既存の電話回線を利用して高速な通信を実現する通信方式のことです。

Very high bit rate Digital Subscriber Line(ベリーハイビットレート・デジタル・サブスクリバ・ライン)の略で、現在幅広く普及しているADSLとほぼ同じような技術による通信方式です。 

・というわけで「VDSLとは何か」について解説していきます。

画像引用:http://magicage.cho88.com/guide19.htm

VDSLとはADSLの回線に光を混ぜたものです。そのため通信速度はADSLと比べると、安定しています。

今では光ファイバーによるインターネットは、広く普及するようになりました。しかし、どこの会社でも光回線は「一戸建て用」と「集合住宅用」の二種類に分かれており、初心者を混乱させています。

光ファイバーケーブルは、高速な通信が行えますがメタル線ほど柔軟に曲げることができません。

このため、マンションなどの集合住宅の場合、既存の電話線用の配管中に通すことができず、各戸まで光ファイバーを使った接続を行えなかったのです。ここで注目されたのがVDSLです。

VDSLは、xDSLの一種です。「V」は、「Very High Bitrate」、つまり「超高いビットレート」の頭文字です。

その名を見れば分かる通り、他のxDSLよりも高い帯域まで使用して通信を行います。高い帯域を使っている、というのは、アナログ回線で言うと人間の耳では聞こえないような高い音、低い音を使って通信をしているということです。

アナログ回線を素直にデジタル化したISDNの通信速度が比較的遅かったのは、メタル線が保証していた帯域、つまり「人間の耳で聞こえる周波数」しか使用しなかったためです。

ADSLもメタル線の保証外の高い周波数を使うのですが、VDSLではそれよりもさらに高い周波数を使用します。

この結果VDSLは、ADSLよりも高速で、ノイズその他の影響を受けやすく、通信可能な距離もまた短くなる、という特徴を持つに至りました。

ADSLでも、電話局と加入者宅との配線用としてはいっぱいいっぱいだったので、VDSLはADSLの代替にはなりません。VDSLが注目されたのは、1kmを下回る、さらに短い距離での通信用でした。

VDSLとADSLとの違い

・通信速度はVDSLの方が速い!

他の通信方式と異なり、xDSL技術(ADSL)の諸規格には明確な「最高速度」というのがありません。

xDSLは「乱暴な」通信方式であるため、減衰するのを承知の上で使用する周波数域の幅を上げてしまうと、かなり高速化することができてしまうからです。

とはいえ、使用するのはあくまでも人の声をアナログ通信で明瞭に聞き取れるように設計されたメタル線ですから、コウモリでも聞き取れないような音を流してもまず正常にやり取りはできません。

つまり限界は存在するのですが、どこが限界値だという明確な線引はできないのです。

ADSLよりも短い距離が前提となっているVDSLの場合、速度はADSLよりも速く、おおむね100Mbps程度に達します。

これは一昔前の光回線の速度です。ただし光ファイバーの通信速度限界はVDSLよりもずっと上です。かつて光回線の最高速度が100Mbpsに抑えられていたのは、上流の回線が混雑するのを恐れたために過ぎません。

このため、一戸建て住宅用の光回線は幹線部分の整備が進むとともに高速化されました。今ではNTT各社が提供する回線でも1Gbpsとされていますし、他の業者なら2Gbpsでの通信ができるところもあります。

・速いけど持久力のないVDSL

ADSLは、基本的に加入者宅から電話局までの配線用に使用された技術です。このため、数kmの距離での通信が可能ですが、1kmを超えると最大速度の半分程度まで落ちてしまうと言われています。

VDSLの場合、1km離れると速度低下は半分どころではなく、ほぼ通信可能な限界距離となってしまいます。

ただし、上で述べたようにVDSLは集合住宅内部での配線で利用されており、1kmを超える距離で使われることはまずありません。

そのため、ADSLよりも安定した高速通信が提供できるようになっています。

・コウモリも気絶する高音で通信

ADSLでは当初26~552KHzの帯域を使って通信を行っていました。その後帯域の上限が引き上げられ、3.75MHzまで使われるようになります。

ちなみに人間の可聴域は0.2~4KHz程度ですが、普通の会話を明瞭に聞き取るためには0.3~3.4KHz程度の帯域を確保していれば十分とされていました。つまりこれが、メタル線の設計の基準になっていたのです。

コウモリの可聴域の上限が120KHz程度ですから、ADSLで使われている帯域がいかにメタル線からみれば「規格外」であるか理解していただけるかと思います。

ところがVDSLは、ADSLよりもさらに広い帯域を使用しており、最高で30MHzにも達します。これがVDSLで高速通信が可能になっている理由でもあり、通信距離が極端に短くなってしまう理由でもあります。

 

電話線を使ってのデータ通信の歴史について

20世紀の後半に電話網は急速に普及し、どこの家庭でも住宅建築時に家の中に回線が引き込まれるようになりました。

この回線を使って行われた通信は、いわゆる「アナログ通信」です。原理的には「糸電話」と同じものになります。

1990年代頃になると、電話線を単なる音声通信用ではなく、データ通信用にも用いようとする試みがなされます。

最初に使われたのは、「モデム」と呼ばれる機器をパソコンに接続し、パソコン内部のデジタル信号をアナログに変換して電話線に送り出すというものでした。

モデムでの通信は、初期においては300bpsという今から見れば実に低い速度から始まり、数年のうちに56Kbpsにまで高速化しました。しかしここで限界が来ます。

そこで通信会社の技術者は、デジタル信号を使っての通信の規格を考案するようになります。

・ISDNの登場

最初に登場したのは、アナログ電話線(メタル線とも言います)の物理的限界を十分に考慮して作られた、ISDNという規格のうち、低速度のサービス(NTTのINSネット64)でした。

それまでのアナログ電話回線とほぼ同品質の音声データを、デジタル回線でやり取りしようとする場合、64Kbps程度の速度が必要でした。

ISDNの場合、一本のメタル線で64Kbpsを二回線分確保することができたのです。

ただしISDNはかなり「お行儀よく」作られた規格であって、当初の64Kbps×2よりも高速化することができません。

その一方で、高速データ通信に対する需要は高まっていき、ISDN路線ではやがて行き詰まることが明白になりました。

・ADSLの登場!

高速通信を実現するためには、光ファイバーケーブルを導入するのが一番である、ということはわかっていました。

しかし、1990年代はまだ光ファイバーケーブルは、主に電話局同士での接続に使われておらず、一般家庭に導入する場合、電話局からの回線工事をしなければならないことが多かったのです。

ここでまたメタル線がクローズアップされます。メタル線を使ってのデジタル通信の速度限界は64Kbps×2程度でしたが、それはあくまで「お行儀よく」やった場合のことでした。

「ちょっと乱暴」にやった場合、もっと速度を伸ばすことができたのです。これが「xDSL」と呼ばれる通信方式です。「DSL」は「デジタル加入者線」のことで、通信方式の微妙な違いにより、「x」の部分に他の文字が入るようになります。

「xDSL」は、ISDNと比べると「ちょっと乱暴」なので、電話局からの距離が長くなってしまうと、通信速度はかなり低下してしまいます。

特にISDN回線とは相性が悪く、ISDN回線と近接していた場合そのノイズの影響を受けてみるみる速度が低下しました。

ただし、条件さえよければISDNよりもずっと高速での通信が可能だったので、光ファイバー網が完備されるまでの「つなぎ」として、xDSL回線が利用されることになります。

電話局と一般家庭を接続する場合に主に使われた「xDSL」は、ADSLです。

ADSLの「A」は、「Asymmetric」の頭文字で、「非対称」という意味になります。この「非対称」というのは、上りと下りの通信速度が異なるから、ということで名付けられたものでした。

・光回線の補助として利用されるVDSL

VDSLは古くからあるアナログ電話回線用のメタル線を使用します。メタル線ならほぼすべての集合住宅において、建設時に各戸まで配線されており、大規模な工事を行わなくても利用できます。

集合住宅用の光回線というのは、マンションの地下などにある配電盤室まで光ファイバーを接続し、そこから各戸まではVDSLで通信を行うようになっているのです。


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Jcninc

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ライター歴20年を超えました。IT系を降り出しに萌え系・漫画・ゲームなど広範囲にネット・紙媒体問わずに活動しています。IT系の仕事は90年代からソフトバンク・毎日コミュニケーション・日経・アスキーなど当時のほぼすべてのIT系出版社の媒体への掲載実績があります。
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